2016年08月15日
今週の注目疾患 平成28年・31週(8月1日~8月7日)
〜腸管出血性大腸菌感染症〜
千葉県では、2016年31週に 4例の届出があり、2016年1週~31週に53例の届出があった。
腸管出血性大腸菌は少量の菌数(100 個程度)でも感染が成立するため、人から人への経路、
または人から食材・食品への経路で感染が拡大しやすい。
県内で集団発生があったことから、2016 年 1~31週に届出された 53 例の発生状況をまとめた。
類型別では、患者 42 例(79.2%)、無症状病原体保有 10 例(18.9%)、
感染症死亡疑い者の死体 1例(1.9%)であった。
性別では、男性 26 例(49.1%)、女性 27 例(50.9%)であった。
年齢群別では、20 代 11 例(20.8%)、5 歳未満 9 例(17.0%)、30 代 7 例(13.2%)が多かった。
患者42例の症状等は、腹痛31例(73.8%)、水様性下痢27例(64.3%)、
血便24例(57.1%)、発熱11例(26.2%)、嘔吐3例(7.1%)、急性腎不全1例(2.4%)であった
(複数報告あり)。
O 血清群別では、O157 が 44 例(83.0%)、O26 が 6 例(11.3%)、O111 が 1 例(1.9%)、
O165 が 1例(1.9%)、不明が 1 例(1.9%)であった。
〜デング熱〜
千葉県では、2011年から2016年31週に89例の届出があった。8月、9月は、比較的届出が多い
傾向にあるため、89例の発生状況をまとめた。
性別では、男性54例(60.7%)、女性35例(39.3%)であった。
年齢群別では、30代28例(31.5%)、20代19例(21.3%)、40代18例(20.2%)が多かった。
病型別では、デング熱88例、デング出血熱1例であった。
患者89例の症状等は、発熱73例(82.0%)、2日以上続く発熱53例(59.6%)、
頭痛52例(58.4%)、白血球減少44例(49.4%)、血小板減少40例(44.9%)、
発疹37例(41.6%)、血小板減少(10万/mm3以下)27例(30.3%)、
骨関節痛26例(29.2%)、全身の筋肉痛18例(20.2%)、血清蛋白の低下4例(4.5%)、
出血2例(2.2%)、Tourniquetテスト陽性2例(2.2%)、ヘマトクリットの上昇1例(1.1%)
の記載があった(複数報告あり)。
診断方法として報告されたのは、検体から直接のPCR法による病原体遺伝子の検出63例(70.8%)、
血清での非構造蛋白抗原(NS1)の検出45例(50.6%)、血清IgM抗体の検出及びペア血清での
血清IgM抗体の検出23例(25.8%)、分離・同定による病原体の検出9例(10.1%)、
ペア血清での中和抗体の検出1例(1.1%)であった(複数報告あり)。
推定又は確定された感染地域は、2014年に届出された7例が国内、その他82例は国外であった。
国外として報告された82例では、インドネシア25例(30.5%)、フィリピン16例(19.5%)、
タイ9例(11.0%)、インド8例(9.8%)が多かった(複数報告あり)。
【千葉県感染症情報センターより参照】
(平成28年8月10日更新)