2016年11月11日
今週の注目疾患 平成28年・44週(10月31日~11月6日)
~感染性胃腸炎~
2016年44週の県全体の定点当たり報告数は、43週の4.73から増加し6.73となった。過去4年の同時期と比較し早期に増加しており、今後の流行状況に注意が必要である。
保健所別定点当たり報告数は、16保健所中14保健所管内で増加し、船橋市(14.09)、柏市(10.44)、松戸(9.50)、市川(8.25)、印旛(7.63)、千葉市(6.89)、山武(6.83)が多い。
2016年44週に報告された908例の性別は、男性494例(54.4%)、女性414例(45.6%)であった。年齢群別では、1~6歳が546例で60.1%を占めていた。
~カルバペネム耐性腸内細菌科細菌感染症~
CRE感染症は、平成26年9月19日(2014年38週)から感染症法の5類感染症となり、全数把握疾患となった。約2年経過したこと、2015年は10月、11月の届出が多かったことから、千葉県の発生状況についてまとめた。
千葉県では、2014年38週から2016年44週の間に134例の届出があった。
保健所別では、千葉市29例、印旛26例、柏市19例、船橋市16例、松戸12例、市川10例、習志野8例、君津6例、山武3例、安房2例、野田1例、海匝1例、市原1例であった。
性別は、男性98例(73.1%)、女性36例(26.9%)であった。
年齢群別では、70代48例(35.8%)、80代33例(24.6%)、60代28例(20.9%)が多かった。
症状等として記載があったのは、尿路感染症38例(28.4%)、肺炎28例(20.9%)、敗血症20例(14.9%)、菌血症17例(12.7%)、腹膜炎14例(10.4%)、胆管炎10例(7.5%)、胆嚢炎5例(3.7%)、髄膜炎1例(0.7%)であった(複数報告あり)。
診断方法としては、通常無菌的であるべき検体からの分離・同定による腸内細菌科細菌の検出及び分離菌の薬剤耐性の確認が59例、通常無菌的ではない検体からの分離・同定による腸内細菌科細菌の検出、分離菌の薬剤耐性の確認及び分離菌が感染症の起因菌であることの判定が83例であった(複数報告あり)。
菌種は、Enterobacter属が101例で75.4%を占めていた。
90日以内の海外渡航歴は、60例に記載があり、渡航歴なし58例、不明2例であった。
【千葉県感染症情報センターより参照】
(平成28年11月9日更新)