2016年09月09日
今週の注目疾患 平成28年・35週(8月29日~9月4日)
〜腸管出血性大腸菌感染症〜
千葉県では、2016 年 35 週に 37 例の届出があり、2016 年 1 週~35 週の累積届出数は 118 例とな った。腸管出血性大腸菌は少量の菌数(100 個程度)でも感染が成立するため、人から人への経路、人から食材・食品への経路、汚染食品から人への経路で感染が拡大しやすい。35 週は食中毒事 例の症例が含まれているため届出数が急増した。届出数が増加したこと、重症例が見られたことから、 2016 年 1~35 週に届出された 118 例の発生状況をまとめた。
類型別では、患者98例(83.1%)、無症状病原体保有者19例(16.1%)、感染症死亡疑い者の死体1 例(0.8%)であった。
性別では、男性 52 例(44.1%)、女性 66 例(55.9%)であった。
年齢群別では、20 代 20 例(16.9%)、80 代 20 例(16.9%)、5 歳未満 14 例(11.9%)、30 代 13 例 (11.0%)、90 代 13 例(11.0%)が多かった。 患者98例の症状等は、水様性下痢69例(70.4%)、血便65例(66.3%)、腹痛64例(65.3%)、発熱17 例(17.3%)、嘔吐7例(7.1%)、急性腎不全2例(2.0%)、溶血性尿毒症症候群(HUS)1例(1.0%)であっ た(複数報告あり)。
O血清群別では、O157 が 100 例(84.7%)、O26 が 9 例(7.6%)、不明が 7 例(5.9%)、O111 が 1 例 (0.8%)、O165 が 1 例(0.8%)であった。
~RS ウイルス感染症~
2016年35週の県全体の定点当たり報告数は、34週の0.47 から倍増し0.98となった。過去4年と比較し多く、また早期に増加が始まっており、今後の流行状況に注意が必要である。 保健所別定点当たり報告数は、16保健所中10保健所管内で増加し、習志野(3.60)、香取(1.67)、印旛(1.56)、市川 (1.08)、松戸(1.06)、千葉市(1.00)で多い。 2016年35週に報告された132例の性別は、男性67例 (50.8%)、女性65例(49.2%)で、年齢群別では、1歳以下が 97例で73.5%を占めていた。
【千葉県感染症情報センターより参照】
(平成28年9月7日更新)