2023年12月29日

2023年 第51週
(令和5年12月18日~令和5年12月24日)

【今週の注目疾患】
■梅毒
 2023 年第 51 週に県内医療機関から梅毒の届出が 11 例あり、2023 年の累積届出数は 457 例となった。
昨年 2022 年は 1999 年の現行感染症サーベイランス開始以降で最多の年間 336 例の届出があったが、2023 年は第 39 週時点で昨年の年間届出数を上回り、過去最多の届出数を更新している。

 本年の届出457例のうち、性別では男性309例(68%)、女性148例(32%)で男性が多かった。
年代別では、男性では40代が81例(26%)で最も多く、次いで30代が73例(24%)、20代が66例(21%)、50代が60例(19%)と続いた。
一方、女性では20代が74例(50%)で半数を占め、次いで30代が26例(18%)、10代が21例(14%)と続いており、性別によって年代の分布が異なる特徴が見られた。
また、2023年第1週~第51週の期間では、妊娠症例の届出が8例、先天梅毒の届出が1例あった。

 梅毒は梅毒トレポネーマ(Treponema pallidum)によって引き起こされる細菌性の感染症である。
感染経路は菌を排出している感染者との性器や肛門、口腔などの粘膜の接触を伴う性行為や疑似性行為によるものである。
予防としては、これら感染者との性行為や疑似性行為を避けることが基本となるが、病変の存在に気づかない場合もあるため、性交渉の際にはコンドームを適切に使用することが感染リスクの低減につながる。
また不特定多数の人との性的接触は感染リスクを高めることから回避することが望ましい1)-3)。
 梅毒は適切な治療を受けることで完治可能な疾患である。
早期発見・早期治療が重要であり、再感染を予防するため、パートナーもともに検査を受けることが推奨される。
県では保健所において無料・匿名の検査を実施しているとともに、休日街頭検査を実施している。
感染が気になる方や不安なことがある場合には、活用されたい。
なお、最新の検査実施日程については、県ホームページ等でご確認いただきたい4)。

≪引用・参考≫
1)国立感染症研究所:梅毒とは
>>詳細はこちら
2)厚生労働省:梅毒に関する Q&A
>>詳細はこちら
3)一般社団法人日本感染症学会:梅毒(Syphilis)
>>詳細はこちら
4)千葉県:千葉県内のエイズ等相談・検査
>>詳細はこちら

【新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発生状況】
 2023 年第 51 週の県全体の定点当たり報告数は、前週の4.18 人*から増加し、4.73 人であった。
 地域別では、香取(9.00)、印旛(6.92)、市原(6.18)保健所管内で患者報告数が多かった。
(*前週時点では 4.20)

【千葉県感染症情報センターより参照】
(令和5(2023)年12月27日更新)