2020年08月14日
今週の注目疾患 2020年 32週(2020/8/3~2020/8/9)
【今週の注目疾患】
【劇症型溶血性レンサ球菌感染症】
2020年第32週に県内医療機関から1例の届出があり、2020年の累計は第32週までに24例となった。
劇症型溶血性レンサ球菌感染症は感染症法において5類全数把握疾患に分類され、β溶血を示すレンサ球菌を原因とし、突発的に発症して急激に進行する敗血症性ショック病態と定義されている。
「β溶血性レンサ球菌が血液または通常ならば菌の存在しない臓器から検出され」、かつ「ショック症状」に加え「肝不全、腎不全、急性呼吸窮迫症候群、播種性血管内凝固症候群(DIC)、軟部組織炎、全身性紅斑性発疹、中枢神経症状のうち2つ以上」、を伴う症例が届出対象となっている。
原因となるβ溶血性レンサ球菌は主にA群レンサ球菌のStreptococcus pyogenes、B群レンサ球菌のS.agalactiaeやG群(C群、A群である場合もある)のS. dysgalactiae subspecies equisimilisなどである。
千葉県においては2013年第1週~2020年第32週までに186例が届け出られている。
近年はB群およびG群による症例の届出が増加しており、原因溶血性レンサ球菌の血清群分布はA群が81例(43.5%)、G群が63例(33.9%)、B群が23例(12.4%)、C群が2例(1.1%)、17例はその他・不明である。
患者の年齢中央値はA群による症例が65歳(範囲0~94歳)、B群による症例が73歳(範囲0~92歳)、G群による症例が77歳(範囲9~99歳)であり、G群は高齢者に多い傾向にある。
【千葉県感染症情報センターより参照】
(令和2(2020)年8月12日更新)