2023年09月22日
22023年 第37週
(令和5年9月11日~令和5年9月17日)
【今週の注目疾患】
■インフルエンザ
2023 年第 37 週の県全体のインフルエンザの定点当たり報告数は、前週の 8.57(人)から増加して 14.54(人)となり、注意報レベル(基準値:定点当たり報告数 10.0)を上回った。
第 37 週時点では、過去 5 年間で最も定点当たり報告数が多く、例年より早期に患者報告数の増加が見られているため、今後の発生動向に注意が必要である。
年齢群別では、2023 年第 37 週に報告のあった計 2,907 例のうち、10 歳未満が 1,237 例(42.6%)と最も多く、次いで 10 歳台 1,155例(39.7%)、40 歳台 143 例(4.9%)であり、20 歳未満で患者報告数全体の 82.3%を占めた。
患者報告数が多かった地域は、松戸(23.3)、習志野(22.8)、柏市(18.4)保健所管内であった
インフルエンザ予防のため、こまめな手洗い、十分な休養とバランスのとれた栄養摂取、室内でのこまめな換気などを心がけていただきたい 1,2)。
■参考・引用
1)千葉県健康福祉部疾病対策課:インフルエンザの流行について(令和 5 年 9 月 8 日)
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2)千葉県健康福祉部疾病対策課:インフルエンザから身を守ろう
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■咽頭結膜熱
2023 年第 37 週に県内の小児科定点医療機関から報告された咽頭結膜熱の定点当たり報告数は、定点当たり 1.16(人)であった。
過去 5 年間の同時期(第 37 週)と比較して定点当たり報告数が多く、今後の発生動向に注意が必要である。
また、全国における発生状況についても、過去 5 年間の同時期と比較してかなり多いことが報告されている 1)。
咽頭結膜熱は、発熱、咽頭炎、眼症状を主とする急性ウイルス性感染症であり、アデノウイルス3型、4型、7型、11型などを原因とする。
また、アデノウイルスは、呼吸器疾患、流行性角結膜炎などの眼疾患、感染性胃腸炎などの消化器疾患、出血性膀胱炎、尿道炎などの泌尿器疾患や、肝炎なども起こす2)。
2023年第37週には、流行性角結膜炎の定点当たり報告数も増加している。
国立感染症研究所の報告によると、咽頭結膜熱は夏に流行のピークが認められ、2003年以降は冬にも明らかなピークがみられるようになった。
1歳を中心とする小児からの報告数が多い2)。
アデノウイルスは、接触感染及び飛沫感染するので、頻回の手指衛生対策等による感染対策が重要である。
家庭内での感染を防ぐために、こまめに手洗いを実施し、タオルなどは共用しないこと、ドアノブや手すり、おもちゃ等をこまめに次亜塩素酸ナトリウム等で清掃、消毒することが効果的である。
なお、通常の消毒用アルコールは無効であり、注意が必要である。
■参考・引用
1)厚生労働省・国立感染症研究所:IDWR 感染症週報 2023 年第 35 週
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2)国立感染症研究所:アデノウイルス感染症 2008~2020 年
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【新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発生状況】
2023 年第 37 週の県全体の定点当たり報告数は、前週の27.48 人*から減少し、23.99 人であった。
地域別では、特に君津(34.58)、松戸(33.14)、市原(32.78)保健所管内で患者報告数が多かった。
*前週報告時点では 27.45 人
【千葉県感染症情報センターより参照】
(令和5(2023)年9月20日更新)