2017年10月20日

今週の注目疾患   平成29年・41週(10月9日~10月15日)

【感染性胃腸炎】
2017 年第 41 週における県内定点医療機関から報告された感染性胃腸炎の定点当たり報告数は2.36 人であった。
感染性胃腸炎のサーベイランスはウイルス(ノロウイルス、ロタウイルス、エンテロウイルス、アストロウイルス、アデノウイルス、サポウイルス等)、細菌(下痢原性大腸菌、サルモネラ、カンピロバクター、腸炎ビブリオ等)や原虫・寄生虫(クリプトスポリジウム、ジアルジア等)など多種多様な病原体によるものを含みうる。
そのため、発生に一定の疫学パターンを示さないこともありうるが、主要な原因病原体であるノロウイルスによる感染性胃腸炎が冬に流行を示し、秋口から報告が増加する傾向が見られる。
2007/08 シーズン以降の過去 10 年の動向を振り返ると、早いシーズンには第 44 週に定点当たり報告数 5.0 人を超え、またピークは例年第50 週前後であった(図、表)。2009/10 シーズンのみ年明けにピーク(定点当たり報告数が最大となった)を示したが、このシーズンはインフルエンザ A(H1N1)pdm09 が出現し、秋に大きな流行を認めたシーズンである。
2016/17 シーズンには 2013/14 シーズン以来 3 年ぶりに、警報開始基準値である定点当たり報告数 20.0 人を超える報告を認めた。
予防には食品の十分な加熱、手洗いの励行や患者との濃厚接触を避けることなどが重要である。病原体により、消毒にアルコールが有効なもの、次亜塩素酸ナトリウム(使用にあたっては「使用上の注意」を確認)が有効なもの、熱による消毒が必要となるものなど様々であるが、本感染症の原因となりうる病原体の多くがヒトーヒト感染しうるため、患者発生時には家族内や施設内での二次感染の防止に注意する必要がある。


【千葉県感染症情報センターより参照】
(平成29年10月18日更新)