2019年07月12日

今週の注目疾患   令和元年・第 27 週(2019/7/1~2019/7/7 )

【手足口病】
 2019年第27週に県内定点医療機関から報告された手足口病の定点当たり報告数は、定点当たり14.22(人)であった。
県内16保健所管内のうち、15保健所管内で前週より報告が増加した。
報告の多い上位3保健所管内は、船橋市(定点当たり26.18)、習志野(24.70)及び松戸(18.80)となっている。
第27週に報告された患者について、全年齢群合計に占める各年齢群の割合は、1歳(39.1%)、2歳(23.5%)、0歳(12.3%)、3歳(10.0%)等となっている。
また、成人例も少ないが報告がある。
手足口病の原因となるウイルスは、コクサッキーウイルスA6(CA6)、コクサッキーウイルスA10(CA10)、コクサッキーウイルスA16(CA16)やエンテロウイルス71(EV71)などがあるが、年(シーズン)や地域によって流行するウイルスに違いが見られており、またシーズン中にも流行するウイルスが変わりうる。
2019年、これまで県内病原体定点医療機関から提出された手足口病患者由来の検体からはCA6が検出されている。
CA6は、手足口病同様に夏季に乳幼児を中心に発生する発熱と口腔粘膜の水疱性発疹を特徴とする「ヘルパンギーナ」の主要な原因ウイルスの一つであるが、10年ほど前からは手足口病患者からも検出されるようになっている。
CA6による手足口病の特徴として、CA16やEV71によるものよりも水疱が大きいことや、発症後数週間後に爪脱落が起こる症例が報告されている。
手足口病の感染経路は飛沫感染、接触感染、糞口感染であり、また回復後のウイルス排泄や、感染しても無症状のままウイルス排泄している場合もある。
予防策として、手指衛生の励行と排泄物の適切な処理、また水疱内容にはウイルスが含まれているので患者との濃厚接触を避け、タオル・遊具等を別にするといったことなどが挙げられる。

【千葉県感染症情報センターより参照】
(令和元年7月10日更新)