2019年01月25日
今週の注目疾患 平成31年・第 3 週(2019/1/14~2019/1/20)
【インフルエンザ】
2019 年第 3 週に県内定点医療機関から報告されたインフルエンザの定点当たり報告数は、定点当たり 64.29(人)であった。
昨シーズンのピーク時の定点当たり報告数(63.98:2018 年第 5 週)を上回り、また現行のサーベイランス体制となった 1999 年 4 月の感染症法施行以降、週当たりの定点当たり報告数としては最も多い定点当たり報告数となった。
県内 16 保健所管内全てで前週より定点当たり報告数は増加し、また全ての保健所管内において警報基準値(定点当たり報告数 30)を超えた。
報告の多い上位 3 保健所管内と定点当たり報告数は、長生保健所(94.50)、海匝保健所(90.00)、君津保健所(84.15)であった。
県レベルの定点当たり報告数 64.29 を超える保健所管内は、上記 3 保健所管内の他、夷隅保健所(82.50)、印旛保健所(75.79)、松戸保健所(75.04)、市原保健所(73.09)、山武保健所(67.00)であった。
2019 年 3 週の年齢群別報告割合は、5~9 歳(24.1%)、10~14 歳(17.3%)、0~4 歳(15.3%)で高く、2018/19 シーズン全体では、5~9 歳(24.0%)、10~14 歳(16.2%)、0~4 歳(15.4%)等となっている。
基幹定点(県内 9 医療機関)からのインフルエンザ入院サーベイランスの報告においては、第 3 週に 115 例の報告があり、年齢群別では 80 歳以上 33 例、70 代 28 例、60 代 15 例、50代 3 例、40 代 4 例、30 代 0 例、20 代 2 例、10 代 4 例、5~9 歳 5 例、1~4 歳 14 例、1 歳未満 7 例の報告であった。
現行の入院サーベイランスは 2011 年 9 月より実施されており、週当たりの報告数 115 例は、過去最も多い報告数となっている。
2019 年 3 週の小児科・インフルエンザ定点医療機関の協力による迅速診断結果の報告は、12,982 例中 A 型 12,849 例(99.0%)、B 型 101 例(0.8%)、A and B 型 8 例(0.1%)、A orB 型 24 例(0.2%)であった。
2018/19 シーズン合計では、28,827 例中 A 型 28,536 例(99.0%)、B 型 213 例(0.7%)、A and B 型 12 例(0.0%)、A or B 型 66 例(0.2%)となり、依然 A 型主流の傾向が続いている。
県内において、近年では 2012/13、2014/15 および 2016/17 シーズンに A 型インフルエンザによる患者が占める割合が非常に高かったが、これらのシーズンでは A(H3)亜型が主流であった。
全国における直近のウイルス検出状況によると、今シーズンはこれまで A(H1)pdm09 と A(H3)亜型の両型の検出が報告されている。
例年、1 月下旬~2 月上旬はインフルエンザの報告が最も多くなる時期であり、流行のピークがいつになるか、また今後 B 型インフルエンザウイルスによる患者増が認められるかどうかなど、引き続き動向に注意が必要である。
人混みへの外出を控えることや飛沫感染対策としての咳エチケット(有症者自身がマスクを着用し、咳をする際にはティッシュや腕の内側
などで口や鼻を覆う等の対応を行うこと)、接触感染対策としての手洗い等の手指衛生を徹底することが重要である。
【千葉県感染症情報センターより参照】
(平成31年1月23日更新)