2021年03月12日
今週の注目疾患 2021年 9週(2021/3/1~2021/3/7)
【今週の注目疾患】
【百日咳】
2021年第9週に県内医療機関から1例の百日咳の届出があり、2021年の累計は9例となった。
2018年第1週~2021年第9週に県内医療機関で診断された1,480例の内訳は、2018年569例、2019年819例に対し、2020年は83例であった。
2020年は前年までと比較して届出数は少なかったが、散発的に届出を認め、本症の感染伝播様式を考慮すると、潜在的な感染伝播に注意が必要である。
2020年第1週~第53週に届け出られた83例について、性別は女性52例、男性31例であった。
百日咳の発生、罹患や死亡は女性の方が男性より多いことが知られているが、その理由は明らかではない。
患者年齢は、15歳未満の小児が47例(女性33例、男性14例)と全体の56.6%を占めた。
8歳の届出が9例と最も多く、次いで9歳(7例)、0歳(6例)と続いた。
重症化のリスクの高い6か月未満児の届出が6例あり、うち1回目のワクチン接種前の3か月未満児の届出が5例あった。
記載された症状は、0歳では『持続する咳』、『夜間の咳き込み』、『スタッカート』、『ウープ』が多く、成人例では『持続する咳』が多かった。
0 歳児や就学前の乳幼児は主に両親や同胞からの感染が疑われる例が多く、乳幼児がいる家庭や妊婦の感染防止等の対策が重要であるが、年長児や成人では特徴的な発作性の咳が目立たないため、罹患に気づかないまま新生児や乳児の感染源となっていることがあり、注意が必要である。
百日咳は2018年1月1日より定点把握疾患から全数把握疾患となり、届出も臨床診断例から原則として検査診断例が対象となり、検査方法、感染源や予防接種歴の情報も含まれるようになった。
また、2018年4月25日には国立感染症研究所から『百日咳 感染症法に基づく医師届出ガイドライン(初版)』が示されたことに留意されたい。
参考・引用
国立感染症研究所:百日咳 感染症法に基づく医師届出ガイドライン(初版)
>>詳細はこちら
【千葉県感染症情報センターより参照】
(令和3(2021)年3月10日更新)