2017年09月01日

今週の注目疾患   平成29年・34週(8月21日~8月27日)

【侵襲性髄膜炎菌感染症】
2017 年第 34 週に侵襲性髄膜炎菌感染症の届出が 1 例あり、本年の県内からの侵襲性髄膜炎菌感染症の届出は合計 3 例となった。
本感染症は、発症すると急速に死に至ることもあるため、発生時には患者に対する迅速な抗菌薬治療に加え、患者の濃厚接触者(表 1)に対しては可能な限り早期に抗菌薬の予防投与を行うことが推奨される。このため、接触者の迅速な探知のためにも、患者発生の保健所への届出は速やかに行う必要がある。
侵襲性髄膜炎菌感染症は、衣食住を共にするような集団生活は本菌の感染伝播のリスクを高めることが知られており、そのような集団では本感染症の原因となる髄膜炎菌の保菌率が高まることがある。
患者発生の場所や原因となった髄膜炎菌の血清群の状況によっては、国内では 4 価の結合型髄膜炎菌ワクチン(A/C/Y/W 群)が接種可能であり、ワクチン接種による中長期的な発生予防も検討しうる。
また、侵襲性髄膜炎菌感染症のハイリスク者(無脾・脾摘、補体欠損症など)や流行地への渡航者も、同様にワクチン接種が検討される。

【千葉県感染症情報センターより参照】
(平成29年8月30日更新)