2023年10月13日

22023年 第40週
(令和5年10月2日~令和5年10月8日)

【今週の注目疾患】
■咽頭結膜熱
 2023 年第 40 週に県内の小児科定点医療機関から報告された咽頭結膜熱の定点当たり報告数は1.82(人)であった。
過去 5 年間の同時期(第 40 週)と比較して定点当たり報告数が多い。
2023 年第 35 週以降、定点当たり報告数は増加傾向にあり、今後の発生動向に注意が必要である。
なお、全国における発生状況についても、過去 5 年間の同時期と比較してかなり多いことが報告されている 1)。

 県内の小児科定点医療機関から報告のあった咽頭結膜熱の患者数は、2019 年は 2,364 例であり、2020 年~2022 年には 601 例~740 例と大きく減少したが、2023 年には第 1 週から第 40 週までに 2,222 例の報告があった。
2019 年~2023 年第 40 週に県内の小児科定点医療機関から報告された咽頭結膜熱患者の年齢分布について、2023 年は 2020 年~2022 年と比較して、2 歳以下の占める割合が減少し、3 歳以上の占める割合が増加している。
2023 年第 35 週以降、5~9歳の患者数が増加している。

 咽頭結膜熱は、発熱、咽頭炎、眼症状を主とする急性ウイルス性感染症であり、アデノウイルス3型、4型、7型、11型などを原因とする。
また、アデノウイルスは、呼吸器疾患、流行性角結膜炎などの眼疾患、感染性胃腸炎などの消化器疾患、出血性膀胱炎、尿道炎などの泌尿器疾患や、肝炎なども起こす2)。
県内では、2023年第40週には流行性角結膜炎の定点当たり報告数も2週連続で増加し、1.06(人)となった。
 国立感染症研究所の報告によると、咽頭結膜熱は夏に流行のピークが認められ、2003年以降は冬にも明らかなピークがみられるようになった2)。
2023年は例年と異なり、秋に流行のピークが見られている。
 アデノウイルスは、接触感染及び飛沫感染するので、頻回の手指衛生対策等による感染対策が重要である。
家庭内での感染を防ぐために、こまめに手洗いを実施し、タオルなどは共用しないこと、ドアノブや手すり、おもちゃ等をこまめに次亜塩素酸ナトリウム等で清掃、消毒することが効果的である。
なお、通常の消毒用アルコールは無効であり、注意が必要である。

■参考・引用
1)厚生労働省・国立感染症研究所:IDWR 感染症週報 2023 年第 38 週
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2)国立感染症研究所:アデノウイルス感染症 2008~2020 年
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【新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発生状況】
 2023 年第 40 週の県全体の定点当たり報告数は、前週の 10.61 人から減少し、6.24 人であった。
 地域別では、長生(12.29)、君津(9.77)、夷隅(8.20)保健所管内で患者報告数が多かった。

【千葉県感染症情報センターより参照】
(令和5(2023)年10月11日更新)