2015年10月02日
今週の注目疾患 平成27年・39週(9月21日~9月27日)
流行性耳下腺炎
2015年39週の県全体の定点当たり報告数は、38週の0.68から減少し0.55となった。過去4年と比較し、多い状態で推移しており、今後の流行状況に注意が必要である。
保健所別定点当たり報告数は、印旛(1.81)、野田(1.75)、市原(1.00)、習志野(0.80)、千葉市(0.56)で多く、地域差がある。
2015年39週に報告された74例の性別は、男性41例(55.4%)、女性33例(44.6%)で、年齢群別では、4~6歳が38例で51.4%を占めていた。
カルバペネム耐性腸内細菌科細菌(CRE)感染症
CRE 感染症は、平成 26 年 9 月 19 日(2014 年 38 週)から感染症法に基づく 5 類感染症の全数把握となった。
感染症発生動向調査の対象となってから1年が経過したことから、この間の発生状況についてまとめた。
千葉県では、2014年38週から2015年39週の間に43例の届出があった。
保健所別では、千葉市12例、印旛9例、船橋市6例、松戸4例、君津4例、習志野3例、市川2例、柏市1例、市原1例、山武1例だった。
性別は、男性31例(72.1%)、女性12例(27.9%)だった。
年齢群別では、40代2例(4.7%)、50代5例(11.6%)、60代12例(27.9%)、70代13例(30.2%)、80代9例(20.9%)、90代2例(4.7%)だった。
症状等として記載があったのは、尿路感染症13例(30.2%)、敗血症9例(20.9%)、肺炎8例(18.6%)、腹膜炎4例(9.3%)、菌血症4例(9.3%)、胆管炎3例(7.0%)、髄膜炎1例(2.3%)があった(複数回答あり)。
診断方法としては、通常無菌的であるべき検体からの分離・同定による腸内細菌科細菌の検出及び分離菌の薬剤耐性の確認が18例で、検出検体として記載があったのは、血液11例(61.1%)、腹水3例(16.7%)、その他5例(27.8%)だった(複数回答あり)。また、通常無菌的ではない検体からの分離・同定による腸内細菌科細菌の検出、分離菌の薬剤耐性の確認及び分離菌が感染症の起因菌であることの判定が25例で、検出検体として記載があったのは、尿11例(44.0%)、喀痰7例(28.0%)、膿6例(24.0%)、その他4例(16.0%)だった(複数回答あり)。
Enterobacter属が25例で58.1%を占めていた。
90日以内の海外渡航歴は、17例に記載があり、16例は渡航歴がなく、1例は不明であった。
【千葉県感染症情報センターより参照】
(平成27年10月2日更新)