2015年09月11日

今週の注目疾患  平成27年・36週(8月31日~9月6日)

手足口病
2015年36週の県全体の定点当たり報告数は、35週の5.50から増加し5.91となった。過去4年間と比較し多い状態で推移している。主症状から回復した後もウイルスは長期にわたって排泄されることがあるので、特に手洗いの励行は重要である。
保健所別定点当たり報告数は、16保健所中9保健所管内で増加し、海匝(10.00)、香取(9.00)、習志野(8.40)、千葉市(8.28)、船橋市(8.09)、柏市(7.22)、長生(6.25)、印旛(6.19)が多い。
2015年36週に報告された798例の性別は、男性449例(56.3%)、女性349例(43.7%)で、年齢群別では、1歳が最も多く271例(34.0%)、5歳未満が687例で86.1%を占めていた。

無菌性髄膜炎
2015年31週に6例、32週0例、33週0例、34週4例、35週3例、36週3例の報告があった。定点当たり報告数は、2010年~2014年の平均と比較し、3週連続で多くなっている。そこで2010年~2015年36週に報告された237例の発生状況をまとめた。
性別は、男性148例(62.4%)、女性89例(37.6%)で、男性に多い。
年齢群別では、5歳未満39例(16.5%)、20代37例(15.6%)、30代29例(12.2%)、40代25例(10.5%)が多い。
検査方法として報告されたのは、不明169例(71.3%)、その他26例(11.0%)、核酸検出(PCR・LAMP等)15例(6.3%)、分離・同定13例(5.5%)、抗体検出12例(5.1%)、抗原検出1例(0.4%)、塗抹検鏡1例(0.4%)であった。
検査結果に報告された病原体は、不明182例(76.8%)、陰性27例(11.4%)、水痘・帯状疱疹ウイルス7例(3.0%)、ムンプスウイルス7例(3.0%)、クリプトコックス属6例(2.5%)、ヘルペスウイルス3例(1.3%)、結核菌2例(0.8%)、肺炎マイコプラズマ2例(0.8%)、他の細菌1例(0.4%)であった。

マイコプラズマ肺炎
2015年36週に6例の報告があり、定点当たり報告数は0.67となった。マイコプラズマ肺炎は、要因は不明だが周期的に流行し、秋から冬期に多いと報告されている。千葉県でも2012年に大きな流行があったことから、2010年~2015年36週に報告された961例の発生状況をまとめた。
性別は、男性483例(50.3%)、女性478例(49.7%)であった。
年齢群別では、5~9歳409例(42.6%)、5歳未満262例(27.3%)、10~14歳200例(20.8%)が多い。
検査方法として報告されたのは、抗体検出926例(96.4%)、核酸検出(PCR・LAMP等)16例(1.7%)、抗原検出7例(0.7%)、不明6例(0.6%)、その他3例(0.3%)、電顕2例(0.2%)、塗抹検鏡1例(0.1%)であった。

【千葉県感染症情報センターより参照】
(平成27年9月11日更新)