日本脳炎ウイルスの感染でおこります。ヒトからヒトには感染しません。ブタやイノシシなど,増幅動物の中で増えたウイルスが蚊によって媒介されます。7~10日の潜伏期間の後,高熱,頭痛,嘔吐,意識障害,けいれんなどの症状を認めます。
流行は東南アジアが中心になりますが,ウイルスは西日本を中心に全国に存在し,主に春から秋にかけて活動しています。以前は,小児と高齢者を中心に発生していましたが,予防接種の普及などで小児の患者数は減少し,最近では高齢者を中心に毎年10人前後の患者が発生しています。
感染者のうち100~1,000人に1人が脳炎や髄膜炎を発症します。夏かぜ様の症状で終わる人や,症状が出ない人もいます。脳炎にかかった時の致命率は約20~40%ですが,神経の後遺症を残す人が多くいます。
対象者:生後6か月~7歳6か月未満(標準的な接種期間はは3歳~4歳)
接種間隔・回数:3回。6日以上,標準的には28日までの間隔をあけて初回接種を2回。2回目接種後,6か月以上,標準的にはおおむね1年の間隔をあけて追加接種を1回。