2016年04月22日

今週の注目疾患  平成28年・15週(4月11日~4月17日)

流行性耳下腺炎
2016年15週の県全体の定点当たり報告数は、14週の0.97から増加し1.22となった。過去5年の同時期と比較し多く、今後の流行状況に注意が必要である。
保健所別定点当たり報告数は、16保健所中9保健所管内で増加し、海匝(13.50)、山武(4.67)、印旛(1.56)で多い。
2016年15週に報告された164例の性別は、男性82例(50.0%)、女性82例(50.0%)で、年齢群別では、3~5歳が58例で35.4%を占めていた。
2016年1~15週に無菌性髄膜炎として報告された23例の検査結果は、ムンプスウイルス5例、陰性2例、未記載16例であった。

蚊が媒介する感染症 -2011年~2015年-
感染症法で蚊が媒介する感染症として4類感染症に分類されている疾患は、ウエストナイル熱、黄熱、ジカウイルス感染症(2016年2月15日から届出対象)、西部ウマ脳炎、チクングニア熱、デング熱、東部ウマ脳炎、日本脳炎、ベネズエラウマ脳炎、マラリア、リフトバレー熱がある。これらの疾患のうち2011年から2015年に千葉県で届出のあったデング熱72例、チクングニア熱13例、マラリア9例、日本脳炎1例についてまとめた。

・デング熱
千葉県では、2011年から2015年に72例の届出があった病型は、デング熱 71 例、デング出血熱 1 例であった。
症状等は、発熱59例(81.9%)、2日以上続く発熱41例(56.9%)、頭痛37例(51.4%)、白血球減少36例(50.0%)、発疹33例(45.8%)、血小板減少33例(45.8%)、血小板減少(10万/mm3以下)20例(27.8%)、骨関節痛19例(26.4%)、全身の筋肉痛16例(22.2%)、血清蛋白の低下4例(5.6%)、出血2例(2.8%)、Tourniquetテスト陽性2例(2.8%、ヘマトクリットの上昇1例(1.4%)の記載があった(複数報告あり)。
診断月別では、8月から9月に増加が見られた。推定又は確定された感染地域は、2014年に届出された18例中7例が国内、その他65例は国外であった。

・チクングニア熱
千葉県では、2011年から2015年に13例の届出があった。症状等は、発熱13例(100.0%)、全身倦怠感11例(84.6%)、関節痛8例(61.5%)、頭痛8例(61.5%)、発疹5例(38.5%)、関節の炎症・腫脹1例(7.7%)、血小板減少1例(7.7%)、白血球減少1例(7.7%)の記載があった(複数報告あり)。
推定又は確定された感染地域は、全例国外であった。

・マラリア
千葉県では、2011年から2015年に9例の届出があった(表3)。病型は熱帯熱6例、三日熱1例、四日熱1例、不明1例であった。
症状等は、発熱9例(100.0%)、悪寒3例(33.3%)、頭痛3例(33.3%)、関節痛2例(22.2%)、脾腫2例(22.2%)、DIC 2例(22.2%)、出血症状1例(11.1%)、意識障害1例(11.1%)、低血糖1例(11.1%)の記載があった(複数報告あり)。
推定又は確定された感染地域は、全例国外であった。

・日本脳炎
千葉県では、2011年から2015年に1例の届出があった。この症例は、0歳男性で2015年9月に届出され、ワクチン接種歴はなかった。

【千葉県感染症情報センターより参照】
(平成28年4月20日更新)