今週の注目疾患   平成30年・22週(2018/5/28~2018/6/3)

【腸管出血性大腸菌感染症】
2018年第22週に県内医療機関から4例の腸管出血性大腸菌感染症の届出があり、2018年の累積は27例となった。
過去同時期と比較し届出が多く、例年夏場に向けて腸管出血性大腸菌感染症の届出は増加を示す(図)。
千葉県では食中毒予防対策の徹底を注意喚起するため、6月1日に食中毒注意報を発令した。
食品の衛生対策、発生時の二次感染防止策の徹底を図る必要がある。
腸管出血性大腸菌感染症は、無症状から溶血性尿毒症症候群(Hemolytic UremicSyndrome, HUS)を続発して致命的となるなど様々な病態をとりうるが、典型例では3~5 日の潜伏期をおいて、激しい腹痛をともなう頻回の水様便の後に血便がでる。また37~38℃台の熱や嘔吐を伴うこともある。
HUS、または脳症などの重症な合併症が続くことがあり、HUSを発症した患者の致命率は1~5%とされている。
2018年第22週までに届出のあった27例について、O血清群別ベロ毒素型別では、O157VT1VT2(3例)、O157 VT2(2例)、O157 VT型不明(2例)、O26 VT1(7例)、O103 VT1(2例)、O103 VT型不明(3例)、O121 VT2(1例)、O145 VT2(1例)、O不明 VT1(2例)、O不明 VT2(3例)、O不明 VT型不明(1例)であった。
VT2産生株(VT1VT2もしくはVT2)は、VT1単独産生株と比較し、患者(有症者)として届出られる割合や血便を呈する患者の割合も高く、患者の重症化リスクといったことに注意しなければならないが、VT1単独産生株においても、無症状や軽症といったことを背景に症例が探知されずに二次感染が発生し、施設内や集団内で感染が拡大してしまうといったリスクがある。
手洗いの励行といった基本的な衛生対策、食品の調理時における野菜類の十分な洗浄、肉類の十分な加熱や既知の感染リスクである生肉の喫食を避ける、調理器具類の洗浄、殺菌など交差汚染に対する注意が腸管出血性大腸菌感染症の感染予防に重要である。

【千葉県感染症情報センターより参照】
(平成30年6月6日更新)