今週の注目疾患   平成30年・16週(平成 30年4月16日~平成30年4月22日)

【腸管出血性大腸菌感染症】
2018年第16週に県内医療機関から3例の腸管出血性大腸菌感染症の届出を認め、2018年の累計は10例となった。
腸管出血性大腸菌感染症は、ベロ毒素(Vero Toxin, VT)を産生する、またはVT遺伝子を保有する大腸菌を原因とする。症状は幅広く、感染しても無症状の場合もあれば、一方で溶血性尿毒症症候群(Hemolytic Uremic Syndrome, HUS)を続発して死亡あるいは腎機能障害などの後遺症を残すなど様々な病態をとりうる。
典型例では3~5 日の潜伏期をおいて、激しい腹痛をともなう頻回の水様便の後に血便がでる。また37~38℃台の熱や嘔吐を伴うこともある。
感染の成立に必要な菌数はわずか50個程度と考えられているため、糞口感染によるヒトからヒトへの二次感染にも注意が必要である。
本症の発生のピークは夏季とはいえ、過去には夏季以外においても集団感染事例が発生しており、手洗いの励行といった基本的な衛生対策、食品の調理時における野菜類の十分な洗浄、肉類の十分な加熱、調理器具類の洗浄、殺菌など交差汚染に対しての注意は常に重要である。
2018年に届け出られた10例について、うち7例は症状のある患者としての届出であり、残る3例は無症状病原体保有者であった。患者のうち、届出時の情報でHUSの記載のある症例はなかった。
性別は男性5例、女性5例であり、年齢群は5歳未満1例、10代1例、20代5例、40代1例、70代2例であった。原因菌のO血清型及びVT型は、O157VT2(2例)、O157VT1VT2(2例)、O26VT1(2例)、O不明〔未記載〕VT1(1例)、O不明〔未記載〕VT2(3例)であった。推定感染地域は8例が国内、2例は海外であった。全国における動向は、2018年は第15週までに187例の届出があり、原因菌のO血清型及びVT型は、O157VT1VT2が40例、O157VT2が35例、O26VT1が30例などとなっている。

【千葉県感染症情報センターより参照】
(平成30年4月25日更新)