今週の注目疾患   平成30年・29週(2018/7/16~2018/7/22)

【RS ウイルス感染症】
2018年第29週の県内定点医療機関から報告されたRSウイルス感染症の定点当たり報告数は0.74(人)であった。
県内全16保健所管内(千葉市、船橋市および柏市含む)のうち、15保健所管内から報告があり、うち12保健所管内で前週より報告が増加した。
定点当たり報告数の多い上位3保健所管内は、市川(定点当たり報告数1.08)、松戸(同1.06)、千葉市(同1.06)であった。
急性呼吸器感染症であるRSウイルス感染症は、乳幼児に多く認め、生後1歳までに半数以上が、2歳までにはほぼ100%の人がRSウイルスの初感染を受けるとされている。
感染経路は飛沫や接触感染であり、2~8日(典型的には4~6日)の潜伏期間を経て発症する。
症状は軽い風邪様症状から重症の肺炎までと幅広いが、特に乳児期早期(生後数週間~数カ月間)に初感染した場合は、細気管支炎や肺炎といった症状を引き起こし重症化することがある。
また心肺系の基礎疾患や免疫不全を有する小児や、慢性呼吸器疾患等の基礎疾患を有する高齢者においても、重症化のリスクがあり注意が必要である。
年長の児や成人においても再感染による顕性感染を認めるが重症化することは少ない。
RSウイルス感染症の予防には適切な飛沫感染や接触感染に対する感染予防策を講じることが必要である。
マスク着用(ただし、RSウイルスは目の粘膜からも感染しうる)や咳エチケット、なによりも手洗いといった基本的な手指衛生を徹底することが重要である。
なお、早産児、先天性心疾患を有する児等の重症化リスクを有する児に対しては、重症化抑制を目的として、遺伝子組み換え技術を用いて作成されたモノクローナル抗体製剤であるパリビズマブ(Palivizumab)の投与が保険適用となっている。
パリビズマブの初回投与はRSウイルス感染症が流行する前に行い、流行が終了するまで継続となっているが、近年のRSウイルス感染症の流行期変動を踏まえ、今後も動向に注視していく必要がある。
県内のRSウイルス感染症は、近年流行の開始と報告のピークがより早期に認められるようになり、また以前と比較して急激な報告増加を示すようになっている。
報告のピークは2014年と2015年は第50週、2016年は第39週、2017年は第35週に認められた。
2018年も早期のRSウイルスの流行が危惧され、今後の動向に注意が必要である。

【千葉県感染症情報センターより参照】
(平成30年7月25日更新)