今週の注目疾患   2020年 43週(2020/10/19~2020/10/25)
【今週の注目疾患】

【腸管出血性大腸菌感染症】
 千葉県では、2020年43週に7例の届出があった。
2020年の累計は109例となった。
過去同時期と比較し秋以降も発生が続き、多くの届出を認めており、引き続き注意が必要である。
 先週の第42週以降、O157・VT2株による症例が届出られており、これまで主であったO157・VT1VT2による症例から動向に変化が見られている。
 腸管出血性大腸菌感染症の症状は多様であり、無症状の場合もあれば、時に溶血性尿毒症症候群(Hemolytic Uremic Syndrome, HUS)を続発して致命的となるなど様々な病態をとりうる。
典型例では3~5 日の潜伏期をおいて、激しい腹痛を伴う頻回の水様便の後に血便がでる。
また37~38℃台の熱や嘔吐を伴うこともある。
HUS、または脳症などの重症な合併症を発生することがあり、HUS を発症した患者の致命率は1~5%とされている。
 本感染症はわずか50個程度の菌数で感染が成立し、原因となる腸管出血性大腸菌に汚染された食品の喫食や、感染者の糞便汚染物との接触による糞口感染によって感染し、家庭内感染や二次感染が多いことも特徴である。
また汚染された食品が広域的に流通することにより、一見散発的に見えるアウトブレイクが発生しうることにも注意しなければならない。
手洗いの励行といった基本的な衛生対策、食品の調理時における野菜類の十分な洗浄、肉類の十分な加熱や既知の感染リスクである生肉の喫食を避ける、調理器具類の洗浄、殺菌など交差汚染に対する注意が腸管出血性大腸菌感染症の感染予防に重要である。


【千葉県感染症情報センターより参照】
(令和2(2020)年10月28日更新)