今週の注目疾患   2021年 10週(2021/3/8~2021/3/14)
【今週の注目疾患】

【細菌性赤痢】
 2021 年第 10 週に県内医療機関から 1 例の細菌性赤痢の届出を認めた。
2010 年以降、県内では昨年(2020 年)を除き年間数例~十数例の届出を認めており、昨年の届出はゼロ件であった。
近年の国内における細菌性赤痢の届出は、アジア地域等からの輸入例が半数以上を占めている。
昨年は人の往来の減少といった新型コロナウイルス感染症の影響も考えられるが、例年渡航歴のない国内発生も認めており、近年でも時に保育園、ホテル等での集団事例の発生の報告がある。
 原因である Shigella 属菌には 4 菌種(S. dysenteriae、S. flexneri、 S. boydii、 S. sonnei )があり、国内例の多くは S. sonnei による。
通常、S.dysenteriae や S. flexneri は典型的な症状を起こす事が多く、S. sonnei の場合は軽度な下痢、あるいは無症状に経過することが多いといわれている。
 2010 年~2021 年第 10 週に県内医療機関から届け出られた細菌性赤痢 85 例についてまとめると、女性 47 例、男性 38 例であり、年齢中央値は 35 歳(範囲 1~88 歳)であった。
推定感染地域は国内 29 例(34.1%)、国外 55 例(64.7%)、不明 1 例(1.2%)であった。
菌種は S. dysenteriae 2 例、S. flexneri 24 例、S. boydii 2 例、S. sonnei 53 例、未記載等 4 例であり、うち推定感染地を国内とする 29 例の菌種は S. dysenteriae 1 例、S. flexneri 11 例、S. sonnei 15 例、未記載等 2 例であった。
細菌性赤痢において感染成立に必要な菌量は 10~100 個と極めて少なく、家庭内や施設内での 2 次感染には注意が必要であり、手洗いの励行といった基本的な経口感染予防の実践が重要である。


【千葉県感染症情報センターより参照】
(令和3(2021)年3月17日更新)