今週の注目疾患   令和元年・第 22 週(2019/5/27~2019/6/2)

【咽頭結膜熱】
 2019 年第 22 週に県内定点医療機関から報告された咽頭結膜熱の定点当たり報告数は、定点当たり 0.68(人)であった。
第 22 週に報告された患者について、年齢は 1 歳が最も多く(35.9%)、次いで 3 歳(20.7%)、2 歳(13.0%)であり、性別は男性が 58.7%とやや多かっ
た。
咽頭結膜熱は発熱、咽頭炎、眼症状を主とする小児の急性ウイルス性感染症であり、アデノウイルスによって引き起こされる。
B 種アデノウイルスであるアデノウイルス 3 型や、C 種の 1 型、2 型、5 型および 6 型などが検出される。
潜伏期間は 5~7 日とされているが、報告にはやや幅があり、4~12 日(平均 8 日)といった報告もある。
発熱、頭痛、食欲不振、全身倦怠感とともに、咽頭炎による咽頭痛、結膜炎にともなう結膜充血、眼痛、羞明、流涙、眼脂などの症状を呈する。
眼症状は一般的に片方から始まり、その後他方にも出現する。
また、結膜の炎症は下眼瞼結膜に強く、上眼瞼結膜には弱いとされる。
眼に永続的な障害を残すことは通常はなく、数日~2 週間程度で回復する。
また、頚部特に後頚部のリンパ節の腫脹と圧痛を認めることがある。
生後 14 日以内の新生児に感染した場合は全身性感染を起こし、重症化する場合があることが報告されている。
疾患としての咽頭結膜熱は通常夏期に地域全体で流行し、5、6 月頃から徐々に増加しはじめ、7 月前後にピークを形成することが多い。
直近の保健所管内別の定点当たり報告数推移はのとおりである。
感染経路は、通常飛沫感染、あるいは手指を介した接触感染であり、結膜あるいは上気道からの感染である。
プールを介した場合には、汚染した水から結膜への直接侵入と考えられている。
特異的治療法はなく、対症療法が中心となる。
予防としては、感染者との濃厚な接触を避け、タオルの共有を避けること、流行時にうがいや手指の消毒を励行することなどである。
点眼薬の使い回しなども避けるべきである。
消毒法に関しては、逆性石鹸、イソプロパノールには抵抗性を示すことから注意を要する。

【手足口病】
2019年第22週に県内定点医療機関から報告された手足口病の定点当たり報告数は、定点当たり1.01(人)であった。
第22週の定点当たり報告数は、過去同時期と比較しやや多く、今後の動向に注意が必要である。
県内の保健所管内別では、県西部において、前週より大きく報告が増加した。
全国的には、西日本で報告が多くなっており、検出された手足口病由来ウイルスは、コクサッキーA6(CA6)が多い。
手足口病の原因となるウイルスは、CA6、コクサッキーウイルスA10(CA10)、コクサッキーウイルスA16(CA16)やエンテロウイルス71(EV71)などが挙げられるが、CA6による手足口病の特徴として、CA16やEV71によるものよりも水疱が大きいことや、発症後数週間後に爪脱落が起こる症例が報告されて
いる。
患者数の報告とともに検出されるウイルスの動向にも注意が必要である。
手足口病の感染経路は飛沫感染、接触感染、糞口感染であり、また回復後のウイルス排泄や、感染しても無症状のままウイルス排泄している場合もある。
予防策として、手指衛生の励行と排泄物の適切な処理、また水疱内容にはウイルスが含まれているので患者との濃厚接触を避け、タオル・遊具等を別にするといったことなどが挙げられる。

【千葉県感染症情報センターより参照】
(令和元年6月5日更新)