今週の注目疾患   2020年 41週(2020/10/5~2020/10/11)
【今週の注目疾患】

【カルバペネム耐性腸内細菌科細菌感染症】
 2020年第41週に県内医療機関から2例のカルバペネム耐性腸内細菌科細菌(carbapenemresistant Enterobacteriaceae: CRE)感染症の届出があり、2020年の累計は49例となった。
 菌種の内訳はEnterobacter cloacaeが17例と最も多く、Klebsiella aerogenesが16例と続く。
その他はKlebsiella pneumoniae 6例、Klebsiella oxytoca 1例、Escherichia coli 1例、Citrobacter freundii 1例、Citrobacter youngae 1例、未記入等6例であった。
患者は男性33例(年齢中央値74歳:範囲49~89歳)、女性16例(年齢中央値73歳:範囲38~100歳)であった。
症状(重複あり)は、肺炎18例、尿路感染症11例、菌血症/敗血症8例、胆嚢炎/胆管炎5例、腹膜炎3例、髄膜炎1例であった。
 CRE 感染症において、地域における流行状況や当該耐性菌のカルバペネム耐性機序を把握するためには PCR 法等を用いて詳細な解析を実施する必要がある。
特にカルバペネマーゼ産生菌(carbapenemase-producing Enterobacteriaceae:CPE)は広域β-ラクタム剤に汎耐性を示し、また同時に他の複数の系統の薬剤にも耐性のことが多いため、臨床的に大きな問題である。
2020 年に届け出られた 49 例の患者由来株のうち、県衛生研究所で PCR 法と阻害剤を用いて検査が実施された 19 株について、うち 7株が IMP 型メタロ-β-ラクタマーゼ(MBL)遺伝子を有していた。
NDM 型、KPC 型、OXA-48 型はなかった。
7 株の菌種は、E. cloacae5 株、K. oxytoca 1 株、C. youngae 1 株であった。
CRE 感染症においては、患者発生動向調査に加え、分離株の耐性機序の検査を引き続き実施し、県内における CRE の動向をサーベイランスしていくことが重要である。


【千葉県感染症情報センターより参照】
(令和2(2020)年10月14日更新)