今週の注目疾患   平成31年・第 17 週 第 18 週(2019/4/29~2019/5/5)

【麻しん】
 県内医療機関から第 17 週に 3 例、第 18 週に 2 例の麻しんが届け出られ、2019 年の累計は 19 例となった。
第 17、18 週に届け出られた 5 例のうち 4 例は感染が推定される期間に海外渡航歴はなく、国内での感染と考えられる。
大型連休が終わり、海外渡航者の麻しん発生も懸念され、輸入例やそれを発端とした国内での感染の可能性について、十分な注意が必要である。
 麻しんは発熱、カタル症状(咳、鼻汁、結膜充血など)、発疹といった症状を主とし、典型的には感染してから10~12日後に38℃前後の発熱やカタル症状が出現する。
前駆期が2~4日間続いた後、発熱が1℃程度下降し、半日くらいのうちに再び高熱(多くは39.5℃以上)が出るとともに(二峰性発熱)、発疹が出現する。感染から発疹が出現するまでは平均14日(範囲7~21日)である。
発疹期の発熱は3~4日間、発疹は5~6日間程度続く。発疹は頭頚部の髪の生え際から始まり、顔面、体幹部、全身へと広がっていく。
患者が周囲に感染させる期間(感染可能期間)は、症状が出現する1日前から解熱後3日間まで(全経過を通じて発熱がみられなかった場合、発疹出現後5日間まで)といわれており、前駆期~発疹出現から最初の数日間が最も感染力が強い。
合併症として中耳炎、肺炎や脳炎などが見られることがあり、麻しんは全年齢において深刻な病態を引き起しうる病気である。
 麻しんは、潜伏期間が長い場合には感染から発症まで3週間程度となることがある。海外渡航の際は、渡航中そして帰国後もしばらくは自身の体調に留意し、帰国後に発熱、咳や発疹など疑われる症状が現れた場合には、周囲への感染の拡がりを防ぐため、公共交通機関の
利用を避け、必ず事前に医療機関に電話連絡で渡航歴や症状について伝え、医療機関の指示に従った受診が重要である。
『麻しんに関する特定感染症予防指針(平成31年4月19日一部改正・適用)』において、「海外に渡航する者は、海外で麻しんにり患した者と接する機会があることから、本人が麻しんウイルスに感染して帰国すると、我が国に麻しんウイルスが流入する可能性がある。
また、海外からの渡航者と接する機会が多い空港職員等は、麻しんウイルスに感染する可能性が比較的高く、本人が麻しんを発症すると、我が国で感染が拡大する可能性及び海外へ流出させる可能性がある。
このため、海外に渡航する者及び空港職員等のうち、麻しんに未り患又は麻しんのり患歴が不明であり、かつ、麻しんの予防接種を必要回数である二回受けていない又は麻しんの予防接種歴が不明である者に対しては、当該予防接種を受けることを推奨する必要がある。」とされている。
 現在、日本と同様に過去に土着する麻しんの排除を達成したと認定された国々でも、流行地からの輸入例やそれを発端とした感染拡大により麻しんアウトブレイクが発生している国・地域がある。流行地以外でも様々な国・地域の人が多く往来する観光地や空港等の施設
では、麻しんを含め、海外で流行する病原体に曝露される可能性について常に注意が必要である。

【千葉県感染症情報センターより参照】
(令和元年5月9日更新)