2017年10月13日

今週の注目疾患   平成29年・40週(10月2日~10月8日)

【麻しん】
2017 年第 40 週に船橋市保健所管内の医療機関から 1 例の麻しんの届出があった。
患者は 40 歳・男性でワクチン接種歴は不明であり、潜伏期間中に海外渡航歴はなく国内での感染が推察される。
発症日は 9 月 26 日であり、麻しんウイルスの遺伝子型は D8 であった。
今後当該患者を起点とした二次感染者が発生する恐れがあり注意が必要である。
前週(第 39 週)には、印旛保健所管内の医療機関からも 1 例の麻しんの届出を認め、麻しんウイルスの遺伝子型は同じく D8 であった。
全国でも第 39 週に千葉県 1 例を含む 4 例が届け出られており、麻しんの届出が増加している。
麻しんは空気感染、飛沫感染、接触感染と様々な経路により伝播し、また感染力が非常に強い。
特異的な治療法もなく、今なお先進国であっても 1,000 人に1人の割合で死亡する可能性がある。
日本は 2015 年 3 月に麻しん排除の認定を受けたが、その後も海外へ(から)の渡航者の麻しんや、今回のように海外渡航歴のない麻しんの届出例を認めている。
麻しんの予防には 2 回の麻しん含有ワクチンの接種が最も効果的であり、引き続き定期接種の啓発を続け接種率の向上を図っていくことが重要である。

【千葉県感染症情報センターより参照】
(平成29年10月11日更新)