今週の注目疾患   令和元年・第 39 週(2019/9/23~2019/9/29)

【A 群溶血性レンサ球菌咽頭炎】
2019 年第 39 週に県内定点医療機関から報告された A 群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点あたり報告数は 1.97 人であった。
前週より報告は減少したが、本症の発生は例年年末にかけて徐々に増加するため今後の動向に注意が必要である
本症の原因である A 群溶血性レンサ球菌は、上気道炎、化膿性皮膚感染症など様々な臨床症状を引き起こす。
その他、免疫学的機序を介して、リウマチ熱や急性糸球体腎炎を起こすことも知られている。
さらに、軟部組織壊死を伴い、敗血症性ショックを来たす劇症型溶血性レンサ球菌感染症は重篤な病態として問題である。
5 類定点把握疾患としての本症は A 群溶血性レンサ球菌による上気道炎として定義され、いずれの年齢群でも起こり、特に学童期の小児に多い。
ただし、小児科定点把握疾患であるため、成人の発生動向について正確に把握することは難しい。
潜伏期は 2~5 日であり、突然の発熱と全身倦怠感、咽頭痛によって発症する。
咽頭壁は浮腫状で扁桃は浸出を伴い、軟口蓋の小点状出血あるいは苺舌がみられることがある。
発赤毒素に免疫のない人は猩紅熱と言われる全身症状を呈することがあるが、近年は比較的まれである。
本疾患は通常、患者との接触を介して伝播するため、ヒトとヒトとの接触の機会が増加するときに起こりやすく、家庭、学校などの集団での感染も多いため、患者発生時には、その周囲に対しての注意も必要である。
治療においては、再発や合併症としてのリウマチ熱、急性糸球体腎炎の発生予防のためにも、抗菌剤服用数日で自覚症状が消失したのちも、処方された抗菌剤は最後まで飲み切ることが重要である。
予防としては、患者との濃厚接触をさけることが最も重要であり、うがい、手洗いなどの一般的な予防法も励行することが必要である。

【千葉県感染症情報センターより参照】
(令和元年10月2日更新)