今週の注目疾患   2020年 37週(2020/9/7~2020/9/13)
【今週の注目疾患】

【レジオネラ症】
 2020 年第 37 週に県内医療機関から 5 例のレジオネラ症の届出があり、2020 年の累計は65 例となった。
レジオネラ症の発生は、傾向として夏~秋により多く、県内でも過去に当該季節に届出が多くなることが認められている。
 65例の届出の内訳は、肺炎型63例、ポンティアック熱型2例である。
届出上の病型については、肺炎若しくは多臓器不全の認められるものを肺炎型とし、それ以外をポンティアック熱型としている。
65例の性別は、男性53例、女性12例と男性が多く、年齢は男性の年齢中央値71歳(範囲:42~96歳)、女性の年齢中央値84歳(範囲:66~96歳)である。
 レジオネラ症は、土壌や水などの自然環境中に存在するレジオネラ属菌によって引き起こされる。
エアロゾルを発生しうる人工環境(噴水・冷却塔・ジャグジー・加湿器等)や循環水を利用した入浴設備等で、衛生的な維持管理が不十分な場合、レジオネラ属菌が増殖し感染源となることがある。
エアロゾル感染以外に、温泉浴槽内や河川で溺れた際に汚染された水を吸引・誤嚥したことによる感染事例が報告されており、またレジオネラ属菌が汚染された腐葉土の粉じんを吸い込んだことが原因と推定される感染事例の報告もある。
 レジオネラ肺炎の潜伏期間は通常2~10日(16日間の症例報告もある)、中枢神経症状や下痢などを認めることもあり、有効な抗菌薬による治療がなされないと特に致命的になる(免疫抑制下では40~80%が死亡)。
一方ポンティアック熱は潜伏期間が数時間から48時間程度であり、インフルエンザ様症状が2~5日続くが、一過性で治癒する。
診断は、培養検査、尿中レジオネラ抗原検査、遺伝子検査や血液中の抗体検査などにおいて、いずれかの検査で陽性となった場合にレジオネラ症とされる。
尿中レジオネラ抗原検査は、過去に感染したことがある場合に、検査結果が陽性となることがあり、現在の感染かどうか注意が必要である。
患者からの菌分離は、尿中抗原による診断が難しいレジオネラ属菌による症例の確認や、曝露源と推察される環境から分離された菌と合わせて遺伝子型別を行なうことによって、感染源の特定といった公衆衛生対応にも有用となる。
原因となるレジオネラ属菌は通常ヒトからヒトに直接感染することはないが、患者周囲に同じ感染源に曝露した者がいる可能性があり、注意が必要である。
前述の人工環境や入浴施設の利用による感染が疑われる場合には、環境検査やその曝露源周囲にポンティアック熱を含むレジオネラ症の症状を呈したものがいないか確認し、エアロゾルを発生しうる人工環境や入浴施設については、平時からの適切な維持管理がレジオネラ症予防に重要である。

引用・参考
WHO Legionellosis:
>>詳細はこちら
厚生労働省 レジオネラ症:
>>詳細はこちら
国立感染症研究所レジオネラ症とは:
>>詳細はこちら


【千葉県感染症情報センターより参照】
(令和2(2020)年9月16日更新)