今週の注目疾患   2020年 30週(2020/7/20~2020/7/26)
【今週の注目疾患】

【E型肝炎】

 2020 年第 30 週に県内医療機関から 1 例の E 型肝炎の届出があり、2020 年第 30 週までの累計は 13 例となった。

 2014 年以降に届け出られた 147 例について、性別は男性 110 例、女性 37 例と男性が多く、2020 年の 13 例はいずれも男性の症例である。
患者年齢について、男性は中央値 60 歳(範囲;30~92 歳)、女性は中央値 55 歳(範囲;25~94 歳)であり、成人の中高年の届出が多い。

 E型肝炎はE型肝炎ウイルスによるウイルス性の急性肝炎であり、潜伏期間が15~50日(平均6週間)と長く、発症すると発熱、全身倦怠感、食欲不振、嘔吐、腹痛、褐色尿、黄疸や関節痛などの症状が現れることがあり、A型肝炎に似た臨床症状を示す。
ただし、感染しても不顕性に終わることも多い。
感染性のある期間を明確に定めることは困難であるが、実験ではウイルスの便中への排泄が症状出現の1週間前から黄疸出現後30日まで認めたとの報告もある。
 E型肝炎は、妊婦において劇症肝炎の割合が高く、特に第3三半期に妊婦においては致命率が20%に達することがある。
 E型肝炎の感染経路は未だ不明な点も多く、遺伝子型G1とG2によるE型肝炎は、開発途上国においてウイルスを含む糞便に汚染された飲用水等の摂取による水系感染を起こし、アウトブレイクの発生も報告されており、流行地への渡航の際は清潔な飲料水を確保し、衛生的でない水を飲用・食用に供することを避ける必要がある。
一方、先進国では非加熱や加熱不十分の豚肉や鹿肉の喫食歴を持つ人において遺伝子型G3によるE型肝炎の発生が散発的に報告されており、日本、中国ではその他にG4の検出も報告されている。
豚、猪や鹿からはG3及びG4のE型肝炎ウイルス遺伝子の検出例が報告されており、G3とG4は人獣共通感染症・食品由来感染症としての可能性が示唆されている。
A型肝炎でみられる性感染症としての感染経路はE型肝炎では認められていない。
 E型肝炎の予防のため、E型肝炎の流行地域に渡航する場合は飲用水・非調理あるいは加熱不十分な食べ物には十分注意すること、国内においても猪、鹿などの野生動物の肉や豚肉などは、中まで十分に加熱して喫食することが大切である。
妊婦では致命的になる割合が高く、また免疫抑制にある人は慢性化する場合があり、十分に注意が必要である。

(参考・引用)
国立感染症研究所
E 型肝炎とは
>>詳細はこちら

CDC
Hepatitis E
>>詳細はこちら


【千葉県感染症情報センターより参照】
(令和2(2020)年7月29日更新)