2020年02月28日

今週の注目疾患   2020年 8週(2020/2/17~2020/2/23)
【今週の注目疾患】

【新型コロナウイルス感染症:第7報】
 2 月 25 日 12 時現在、日本ではこれまでに 156 例(国内事例 141 例、チャーター便帰国者 事例 15 例)、およびクルーズ船における事例 691 例(延べ 3,894 名の検査実施)の報告があ る。
国内では、感染経路が明らかではない患者が散発的に発生しており、一部地域では小規 模な患者クラスター(集団)が把握されている。
全世界では 80,239 例(うち死亡 2,700 例) の新型コロナウイルス感染症例が報告されており、うち中国本土から 77,658 例の報告となっ ている。
・厚生労働省:新型コロナウイルス感染症について
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・World Health Organization(WHO): Coronavirus disease 2019 (COVID-19) Situation Report ? 36 >>詳細はこちら


 2 月 25 日、厚生労働省は「新型コロナウイルス感染症対策の基本方針」を発表しました。
その中において、現時点で新型コロナウイルスについて把握されたことについて、説明があ りましたのでお知らせいたします。
厚生労働省:新型コロナウイルス感染対策の基本方針
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新型コロナウイルス感染症について現時点で把握している事実
 ・一般的な状況における感染経路は飛沫感染、接触感染であり、空気感染は起きていない と考えられる。
閉鎖空間において近距離で多くの人と会話する等の一定の環境下であれ ば、咳やくしゃみ等がなくても感染を拡大させるリスクがある。
 ・感染力は事例によって様々である。
一部に、特定の人から多くの人に感染が拡大したと 疑われる事例がある。
一方で、多くの事例では感染者は周囲の人にほとんど感染させて いない。
 ・発熱や呼吸器症状が1週間前後持続することが多く、強いだるさ(倦怠感)を訴える人が 多い。
また、季節性インフルエンザよりも入院期間が長くなる事例が報告されている。
 ・罹患しても軽症であったり、治癒する例も多い。
重症度としては、致死率が極めて高い感 染症ほどではないものの、季節性インフルエンザと比べて高いリスクがある。
特に、高齢者・基礎疾患を有する者では重症化するリスクが高い。
 ・インフルエンザのように有効性が確認された抗ウイルス薬がなく、対症療法が中心である。
また、現在のところ、迅速診断用の簡易検査キットがない。
 ・一方、治療方法については、他のウイルスに対する治療薬等が効果的である可能性がある。
 現在は大規模な感染拡大を防ぎ、感染の流行を早期に終息させるため、クラスター(集団) が次のクラスター(集団)を生み出すことを防止することが極めて重要であり、徹底した対 策を講じていく必要があります。
また、こうした感染拡大防止策により、患者の増加のスピ ードを可能な限り抑制することは、今後の国内での流行を抑える上で、重要な意味を持ちます。
 風邪や季節性インフルエンザ対策と同様に一人ひとりの咳エチケットや手洗いなどの実施 がとても重要です。
新型コロナウイルス感染症の特徴を踏まえて、感染の不安から適切な相談なく医療機関を受診することや、感染しやすい環境に行くことを避けていただくようお願 いします。
風邪症状があれば、外出を控えていただき、やむを得ず、外出される場合にはマスクを着用していただくようお願いします。

 なお、次の症状がある方は「帰国者・接触者相談センター」にご相談ください。
 ・風邪の症状や 37.5℃以上の発熱が 4 日以上続いている。 (解熱剤を飲み続けなければならないときを含みます)
 ・強いだるさ(倦怠感)や息苦しさ(呼吸困難)がある。
※ 高齢者や基礎疾患等のある方は、上の状態が 2 日程度続く場合 センターでご相談の結果、新型コロナウイルス感染の疑いのある場合には、専門の「帰国者・接触者外来」をご紹介しています。

【相談後、医療機関にかかるときのお願い】
 〇帰国者・接触者相談センターから受診を勧められた医療機関を受診してください。
 複数の医療機関を受診することはお控えください。
 〇医療機関を受診する際にはマスクを着用するほか、手洗いや咳エチケット(咳やくしゃ みをする際に、マスクやティッシュ、ハンカチ、袖を使って、口や鼻をおさえる)の徹底をお願いします。

 現時点では新型コロナウイルス感染症以外の病気の方が圧倒的に多い状況であり、 インフ ルエンザ等の心配があるときには、通常と同様に、かかりつけ医等に御相談ください。
 帰国者・接触者相談センターはお住まいの住所を管轄する健康福祉センター(保健所)の「帰 国者・接触者相談センター」(平日)、または電話相談受付(043-223-2989。土曜・日曜・祝 日)に御相談ください。
各「帰国者・接触者相談センター」の電話番号などは、下記「帰国者・ 接触者相談センターの開設について」のページを御覧ください。
帰国者・接触者相談センターの開設について
>>詳細はこちら



【千葉県感染症情報センターより参照】
(令和2(2020)年2月26日更新)