2024年03月29日

2024年 第12週
(令和6年3月18日~令和6年3月24日)

【今週の注目疾患】
■結核
 2024 年第 12 週に県内医療機関から結核の届出が 22 例あった。
性別では男性 8 例、女性 14 例であり、年代別では 80 歳以上が 7 例で最も多く、次いで 70 代と 50 代がそれぞれ 6 例、60 代が 2例、40 代が 1 例と続いた。
 2024 年の累計報告数は第 12 週時点で 203 例となっており、性別では男性 122 例(60.1%)、女性 81 例(39.9%)と男性が多かった。
年代別では 80 歳以上が 53 例(26.1%)、70 代が 41 例(20.2%)、50 代が 37 例(18.2%)の順で多く、70 代以上で約半数近くを占めた。
病型別では肺結核 91 例(44.8%)、無症状病原体保有者 78 例(38.4%)、その他の結核 27 例(13.3%)、肺結核及びその他の結核 7 例(3.4%)であった。
その他の結核で多かったのは結核性胸膜炎 16 例、結核性リンパ節炎 5 例、粟粒結核 5 例であった(複数症状のあるものはそれぞれに計上している)。
 県内における 2015 年から 2024 年第 12 週までの累計届出数は 2016 年の 1405 例をピークに減少傾向にある。
しかし、第 12 週時点での届出数は 2022 年の 163 例、2023 年の150 例に比べて 2024 年は 203 例と多くなっている。
また、県内の医療機関において、2023年 11 月から 2024 年 1 月にかけて結核の集団発生が確認されていることから 1)、引き続き発生動向を注視していく必要がある。

 結核は、結核菌によって発生するわが国の主要な感染症の一つである。
結核菌は主に肺の内部で増えるため、咳、痰、発熱、呼吸困難等、風邪のような症状を呈することが多いが、肺以外の臓器が冒されることもあり、腎臓、リンパ節、骨、脳など身体のあらゆる部分に影響が及ぶことがある。
特に、小児では症状が現れにくく、全身に及ぶ重篤な結核につながりやすいため、注意が必要である 2)。
 結核は肺結核が代表的であるが、それ以外にも頸部リンパ節結核、脊椎カリエス、腸結核、腎結核など全身の様々なところに病巣を形成する(肺外結核)。
菌が血流により全身に行きわたり(粟粒結核)、髄膜に到達する結核性髄膜炎などもある。
現在では、粟粒結核は早期発見により治癒の可能性が高まっているが、髄膜炎は 3 分の 1 が死亡し、治っても半数近くは脳に重い後遺症を残すことがある 3)。
 結核の治療は、無症状病原体保有者については、潜在性結核感染症として 3 ヶ月から 6ヶ月間薬を服用することで発病を予防する。
患者についても、一定期間毎日複数の薬を服用して治療する。
不適切な服薬の中断は治療に失敗するばかりでなく、結核菌の薬剤耐性化を招く。
確実な治療のため、入院中も退院後も医療従事者が服薬を見守る仕組みを DOTSといい、医療機関と保健所が協力して行う 4)。
結核の初期症状は風邪に似た症状である。
痰のからむ咳・微熱・身体のだるさが 2 週間以上続く場合 には、早期受診が勧奨される。
咳や痰、発熱などの症状が出ないこともあるので、体重減少・食欲がない・寝汗などがある場合にも早期受診を検討されたい 4)。

■引用・参考
1)千葉県疾病対策課:結核の集団発生について(令和 6 年 2 月 13 日)
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2)厚生労働省:結核(BCG ワクチン)
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3) 公益財団法人結核予防会結核研究所:結核の基礎知識
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4)公益財団法人結核予防会結核研究所:結核の常識 2023
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【新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発生状況】
 2024 年第 12 週の県全体の定点当たり報告数は、前週の 7.00 人から減少し、5.57 人であった。
 地域別では、香取/市原(8.00)、印旛(7.75)保健所管内で患者報告数が多かった。

(令和6(2024)年3月27日更新)