今週の注目疾患   2020年 44週(2020/10/26~2020/11/1)
【今週の注目疾患】

【レジオネラ症】
 2020 年第 44 週に県内医療機関から 5 例のレジオネラ症の届出があり、2020 年の累計は89 例となった。
内訳は男性 76 例(年齢中央値 67.5 歳(範囲:42~96 歳))、女性 13 例(年齢中央値 84 歳(範囲:66~96歳))であり、発生及び患者年齢群分布は性で異なっている。
 レジオネラ症は劇症型のレジオネラ肺炎と一過性のポンティアック熱の2つの病型に分類される。
肺炎型のレジオネラ肺炎の潜伏期間は通常2-10日(16日間の症例報告もある)、症状は全身性倦怠感、頭痛、食欲不振、筋肉痛などの症状に始まり、乾性咳嗽(2~3日後には、膿性~赤褐色の比較的粘稠性に乏しい痰の喀出)、38℃以上の高熱、悪寒、胸痛、呼吸困難が見られるようになる。
傾眠、昏睡、幻覚、四肢の振せんなどの中枢神経系の症状や下痢がみられるのも本症の特徴とされる。
有効な抗菌薬による治療がなされないと特に致命的になる(免疫抑制下では40~80%が死亡)。
 2013年~2020年(第44週まで)に県内医療機関から届け出られたレジオネラ症例のうち、病型が肺炎型であった604例について、発生届に記載された症状をまとめると、発熱は年齢とともにその割合が低下し、一方で呼吸困難は年齢とともに増加が見られている。
また下痢は比較的若齢の成人層の症例が多かった。
 レジオネラ症は土壌や水などの自然環境中に存在するレジオネラ属菌によって引き起こされる。
例としてエアロゾルを発生しうる人工環境(噴水・冷却塔・ジャグジー・加湿器等)や循環水を利用した入浴設備等で、衛生的な維持管理が不十分な場合、レジオネラ属菌が増殖し感染源となることがある。
原因となるレジオネラ属菌は通常ヒトからヒトに直接感染することはないが、患者周囲に同じ感染源に曝露した者がいる可能性があり、注意が必要である。
また本症は、台風や大雨等の水災害時に土壌環境を含む水への溺水や泥水の誤嚥や、浸水建造物の清掃やがれき撤去作業時にレジオネラ菌を含む粉塵を吸引することにより感染するリスクがあるため、清掃時には必ずマスクを着用し感染予防を心がけることが必要である。


【千葉県感染症情報センターより参照】
(令和2(2020)年11月4日更新)